所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査

神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、国内2万人に帯するアンケート結果で<所得、学歴>よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与える事を明らかにしました。

”これは、自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます。”

つまり、自分の意思決定により「自分の行動」を決めた時、人は成長目的を定め、努力する事ができる。モチベーションの源泉が他者ではなく、自己の中にあり、それが、結果的に幸福感に影響を与えている。

「学び」においても、この「自己決定」は子どもたちの将来の幸福感に影響を与える可能性は高いでしょう。

『自分はどんなことが好きで、何が得意なのか?』『その好きと得意を活かすために、必要な学びを自己決定できる』

「好きと得意」はSelf Awareness(自己認知力)が必要な領域です。

そして環境要因である私たち大人は、子ども達が幸せになって欲しいと願い『勉強しなさい・宿題しなさい』と指示を出すことで、自己決定の機会を奪っていないでしょうか?

大人の指示により奪われる「子どもの自己決定の機会」。子ども達の幸福感にどのような影響があるのか?ここをクリティカルに観る必要があると思います。

一般社団法人子供教育創造機構 森博樹’

調査結果
 神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしました。


年齢との関係では、幸福感は若い時期と老年期に高く、35~49歳で落ち込む「U字型曲線」を描きました。所得との関係では、所得が増加するにつれて主観的幸福度が増加しますが、変化率の比(弾力性)は1100万円で最大となりました。
また、幸福感に与える影響力を比較したところ、健康、人間関係に次ぐ要因として、所得、学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かりました。

これは、自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます。

<出所>所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査